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2009年6月15日 (月)

サンダーバード実写版

Photo_2  先日、「サンダーバード実写版(ジョナサン・フレイクス監督 2004年)」の中古DVDを購入しました。
 クラッシック版のファンにとっては、期待を大きく裏切る実写化作品だったのはご記憶のことと思います。

 劇場鑑賞時のメモを抜粋します。(駄文で、しかも長文です。ご容赦ください。)
2004年8月18日(1回目鑑賞時)
 何と評したらよいものか?? 監督が新スタトレシリーズのライカー副長兼、スタトレ劇場版の監督でもあるジョナサン・フレイクスというのに一抹の不安があったのは事実。そもそもこの監督、DVDで観るまでオリジナルのサンダーバードの存在を知らなかったと言うほどの御仁です。DVDを観て家族共々はまったとパンフに書いてありますが、このような人に監督をさせること自体が無謀に思えます。
 主要メカは概ね受け入れやすいデザイン。1号は現代的にかっこよくなっています。2号の変更はぎりぎり許容範囲か。3号はTV版と殆ど同じでストレス無し。4号の大幅変更はクラッシック版の面影も無く、何とも言い難い。一番違和感があるのが5号。雰囲気が変わりすぎのうえ、フッドのミサイルで外周のループが破壊されて形無しです。
 最悪なのはレスキューメカたち。モールは現代のトンネル掘削機みたいなのはわかるとしても、TV版でも人気があるファイヤーフライが、ただのブルドーザーになっているのは残念です。しかもティンティンが消火液を悪人に浴びせかけて、子供のおもちゃになっています。サンダーライザーは実写版のニューメカですが、なんだかTV版のポセイドン(「魅惑のメロディ」に登場するアメリカの秘密兵器で、最後まで詳細が明らかにされなかった兵器。)に似ています。
 オープニングから安っぽいアニメ仕立てで、映画全体の雰囲気も子供向け映画です。末っ子アランや仲間の子供の成長エピソードが中心で、まわりの大人たちは脇役です。ジェフやトレイシー兄弟も殆ど活躍の場面なしで、5号に閉じ込められて酸欠で失神して漂っているくらいですから。
 前半の油田のレスキューシーンが唯一のカタルシス。1号と2号のコンビネーションもばっちりです。あの線で進めて欲しかったですね。もし次回作があるならば、今度こそレスキューシーン満載でお願いしたいけれど、今作が当たらないと次回作の話も無いでしょう。
 悪役がまた、情けない連中ばかりです。フッド役のベン・キングズレーは、いい役者なんだけど、ちょっと今回は外してる感じ。TV版のフッドのような悪さが出ていません。何だか善良さが顔に出てしまって雰囲気が違いすぎます。一匹狼的な存在のフッドなのに(TV版では部下を使っても直接一緒に行動はしていなかったはず。)、頼りにならない部下と行動を共にしている。女の部下は何であんなに不細工な設定にしたのでしょうか? ペネロープと対比させる為かもしれません。
 TV版ペネロープは英国の上流階級という感じが全面に出ていて、おっとりした雰囲気が面白かったですが、新ペネロープは、パーカーと共にアクション全開で悪人と戦っちゃいます。パーカーの錠前破りの腕はオリジナルを踏襲しています。ペネロープ号が今回はフォード製で、全体が丸みを帯びたデザインに一新されました。ラジエターグリルのデザインは、もうちょっと格好よく出来なかったのでしょうか。あれでかなり安っぽく見えてしまいます。
 TV版ではTB機を写真に撮られるのをかなり警戒していましたが、本作ではTV中継で全世界に紹介されてます。あれだけ派手な事をするのですから、隠そうとするほうが無理ですが。
 ティンティンとペネロープの関係は、TV版ではちょっと微妙なバランスだったけれど、こちらは年齢差が結構あって、1号で出動の時など手を繋ぐほどの仲良しぶり。
 ティンティンがアランの次に大活躍しますが、何と言ってもフッド同様に超能力まで備わっているのには苦笑するしかありません。TV版の作品世界はどうでもいいようです。スーパーメカで科学万能の世界に警鐘を鳴らしていたTV版とは打って変わって、超能力者が二人も出てくるのですから。あの超能力がフッドの不気味さを醸し出していたのに、ティンティンまでそんな能力があってはいけません。あれはフッドの専売特許にして欲しいものです。
 ブレインズはいつの間に子供が出来たのでしょうか。妻というか子供のお母さんが出てきませんし。奥さんも天才だったのでしょうか。息子もしっかり血を受け継いでるようです。 それにしてもブレインズのどもりかた、もうちょっとうまく演出できなかったのでしょうか。あれではブレインズをバカにしているようです。
 ビル・パクストンのジェフは、まあまあでしょう。2号を操縦してレスキューにも出動しています。スコットが一番ハンサムかもしれません。とにかく今回はトレイシー兄弟がレスキューで活躍するシーンが殆ど無いのが残念です。
 各TBの操縦室はなかなか良い感じに仕上がってます。TV版よりも、操縦室らしさが出ています。レスキューメカを除くTBメカの仕上がり具合に比べて、ストーリーのお粗末さが残念です。
 最後にジェフが「直ちに出動します大統領」と返事をしていますが、人命救助が最大の目的であるはずの国際救助隊が、何やらアメリカの国家機関のひとつのような位置づけにもなりかねません。ジェフは莫大な費用を個人負担しているのに、国家の手先になっているように見えてしまいます。
 オリジナルファンとしては実写版1作目への評価は大変低いものにならざるをえません。もっとファンの期待に応えて欲しいものです。
 捕まったフッドたちが乗っていた潜水艦はどうなったのでしょうか。(トレイシー家が接収して、TB6号にするのはどうでしょう。)
 ラストクレジットにシルビア・アンダーソンへの謝辞が出ていました。キャラクター創作者としての位置づけでしょうが、ジェリー・アンダーソンのほうはどうかといいますと、特に無かったような気がします。いつも思うのですが、オリジナル版への貢献度はジェリーの方が遙かに高いと思います。二人が書いたそれぞれの自伝本を読むと、書かれていることの差に驚かされます。ジェリーは素晴らしい作品を世に送り続けましたが、商売上手ではなかった感じがします。

2004年9月2日(2回目鑑賞時)
 前売り券をコンビニで買った時、勢い余って2枚買ってしまったのでまた観てしまいました。二回目なのでさほどストレスにはなりませんでした。これはこれで有りなのかもしれません。もう少し何とかならなかったかという不満は残りますが。

 そして今回あらためてDVDで観直したところ、クラッシック版と比較しなければそこそこ鑑賞に堪えうる映画でした。ウィキペディアによれば、制作費5700万ドルに対して興行収入は半分の2828万ドルと不振に終わっています。これでは次回作を望めるはずもありません。まあ、そのおかげでファンの神経を逆なでする実写版を観なくて済むのですが。

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コメント

すみずみまで観察されていて、ファンにも納得・理解できるすぐれた批評だと思います。私は数年前にレンタルDVDで見たのですが、特に印象のあるシーンがありません。ストーリーもほとんど覚えていません。ただVFXの出来はあまり良くないな、ミニチュアにしたほうがずっといいのにな、と感じた記憶はあります。2号が公園に着陸するのは垂直ジェットの噴射で周りに被害が出るのではないか、人も吹き飛ばされるだろう、ちょっと強引だなと、そんなことも感じたものです。ペネロープもフッドも薄い存在でした。8ビートにされているテーマミュージックも、私はオリジナルのほうが良いと感じました。

投稿: スタンリーメタボリック | 2009年6月17日 (水) 23時13分

DVDを980円で買いました。
雷おやじさんと同じような印象です。
この映画に期待したのは、ペネロープのキャラクターでした。
人形では表現できないリアルな表情など…
しかし、見事に裏切られた感じです。
ペネロープの魅力を理解してない。なにこれでした。
TV版のロールスロイスが受けたのも、古い伝統と新しいデザインの組み合わせではないでしょうか?
フォードは、ピンクと6車輪だけで、全く新しい車になってます。
まだまだ、言いたいことは山のようにありますが、
ファンが思ってるようなものが、これまた商売となるとどうなんでしょう?

投稿: ひげおやぢ | 2009年6月19日 (金) 01時23分

スタンリーメタボリックさん、お返事が遅れてすみませんでした。
 このブログで実写版のサンダーバードを語ることは避けていたのですが、家の近くにブックオフが出来まして、500円の中古DVDを買ったのがきっかけで記事にしました。
 この映画が受け入れられないのは、オリジナル版などどうでも良い製作陣が、設定だけ拝借してあとは好き勝手に実写化した結果だと思います。
 英国はもとより、イマイのプラモデルを通じてサンダーバードをこよなく愛した日本人に比べて、サンダーバードに縁が薄く改変に何らストレスを感じないアメリカ人に、実写版を作らせる事自体が間違っていると思います。
 

投稿: 雷おやじ(宿直明け) | 2009年6月19日 (金) 22時56分

ひげおやぢさん、コメントありがとうございます。
 ペネロープ役のソフィア・マイルズさんは「アンダーワールド」のヴァンパイア役などで存在感を見せていましたので、ある程度期待していました。
 オリジナル版ではアメリカ人一家(動)と英国貴族(静)の対比という点でペネロープやパーカーの魅力が増していると思うのですが、実写版では格闘技までやってのける大幅な改変ぶりです。
 ペネロープの魅力を理解していないのではなく、オリジナルを尊重する意思が皆無なのだと思います。
 オリジナル版のファンとしては恨みがましい事ばかり感じてしまうのですが、全く別の世界観で描かれた映画と割り切って許容するしかないと思います。

投稿: 雷おやじ | 2009年6月19日 (金) 23時17分

作品を値段で見てはいけませんが、500円でしたか。
480円の差は、作品には関係ないのですが…
実写版、いろいろ愚痴もありますが、
3号が上昇していくシーンは好きです。

投稿: ひげおやぢ | 2009年6月19日 (金) 23時57分

ひげおやぢさん、コメントありがとうございます。
 以前ホームセンターで新品を1000円で売っているのを見たことがあります。今回は中古品ですがワンコインだったので購入しました。
 故・淀川長治さんは、どんな映画にも良いところが必ずあるという事を仰っていました。小生はTB1号がTV版に近いので気に入っていますし、ペネロープ嬢の入浴シーンも....。(おいおい!!)

投稿: 雷おやじ | 2009年6月20日 (土) 19時06分

初めまして。
ずいぶん以前の記事に今ごろ書き込み失礼します。
2015年、新たに実写シリーズが作られるようです。
映画を大コケさせた、TB全く知らなかったフレイクスの採用はないと思っていますが、年代的にいちばん経済力のあるオールドファンにウケずして、成功はあり得ないと思います。
今となっては、ジェリー・アンダーソンの監修も受けられないし。一抹の不安は残りますが、頑張って欲しいですね。

http://www.zaikei.co.jp/releases/85928/

投稿: Roma | 2013年4月 3日 (水) 01時06分

Romaさん初めまして。コメントありがとうございます。
 2015年のリメイク版、今から楽しみですね。東北新社さんに頑張ってもらって、絶対日本で放映して頂かないと!!
 ライブアクションとCGの組み合わせのようですが、人物が実写でメカがCGなのか、人物がCGでメカが実写(プロップを使用した特撮)なのかよくわかりません。どちらにしても、クラッシック版に近いリメイクならば大歓迎です。

投稿: 雷おやじ(残業&爆睡) | 2013年4月 4日 (木) 21時58分

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