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2009年7月22日 (水)

日本沈没

Photo_2  ディアゴスティーニ・東宝特撮映画DVDコレクション第4号「日本沈没(昭和48年公開 森谷司郎監督)」を観ました。
 オイルショックで騒然としていた1973年の公開当時、大変話題になった映画です。中学生だった小生も、劇場で鑑賞した記憶があります。
 当時印象に残ったのが、小林桂樹さんの”怪演?”ぶりです。TVドラマで目にする小林さんとは全く違う、ストイックで激しい気性の田所博士に、少々違和感を覚えたものです。目を細めにしつつ、時に左右の目蓋の開き具合が違ったり、常にしかめ面で、「お前らみたいな御用学者に何が判る!」と、TV放送の最中に殴りかかるような人物ですから、小林さんも演じるのが大変だったのではないでしょうか。
 いしだあゆみさんがヒロインを演じている事も、なぜこの人が選ばれたのだろうかと疑問に感じていました。わざわざ歌手を起用しなくても、適任の女優さんはいるのではないかと当時は思っていました。今回付属の解説を読んで、女優業もされていた事を知り納得した次第です。
 「仮面ライダー」が我が家のTVでは映らなかったこともあって、逆にライダーのイメージに囚われずに藤岡弘さんの演技を観る事が出来たように思います。脇を固める俳優陣の豪華な事に驚かされます。丹波哲郎さんの首相も、実に味のあるキャラクターですし、島田正吾さんが演じた謎の老人も印象に残ります。子供心にも、世の中には裏で社会を操るフィクサーのような存在があるのだろうと思ったものです。
 思えば巨大地震のメカニズムを目にしたのもこの映画でした。竹内均さんご本人が演じる「竹内教授」による、マントル対流やプレートの解説が頭に刻まれました。特に二つのコンニャクがズルッと動く事でプレートのズレを表現していたのが印象に残ります。
 日本列島が沈んでしまうとはあまりにも荒唐無稽な話ですが、なかなか引き込まれる映画です。マントル対流が変化すると本当に日本が海底に沈んでしまうのではないかと思えてきますし、政府やプロジェクトチームの対応も観ていて違和感がありません。リメイク版の薄っぺらい作り方とは全く違います。(静岡県東部在住の小生は、リメイク版冒頭の「沼津市」の地震被害には苦笑してしまいましたが、その最中にレスキューヘリがアクロバット並みの救助をしたり、直後の場面で何も無かったかのように結婚式を挙げているなど、ありえない展開です。最後には主人公が特攻精神で日本を危機から救うなど、オリジナル版とは雲泥の差があります。)
 首都東京が巨大地震に襲われる場面では、延々と続く被災の情景に目を逸らしたくなります。現在の特撮技術と比べれば見劣りするのは当然ですが、ビルからガラスの雨が降ってきたり、火が衣服に燃え移って逃げ惑うなど、現実味がある演出でした。前の震災は火災の被害が大きかったと老人が話した直後に津波が襲ってくるなど、教訓になりそうなエピソードもありました。
 日本列島が崩壊しながら海に沈んでいく様子は、今ならばもう少しリアルに表現できたと思うのですが、当時としてはあれで十分だったのでしょう。
 深海調査潜水艇「わだつみ」が、もっと活躍する印象があったのですが、冒頭の海底調査に登場するだけでした。1万メートルまで潜水可能との設定ですが、小野寺操縦士の台詞「理論上は10万メートルまで潜れます。」の意味がよく判りませんでした。照明弾発射機能までありますが、実際の潜水艇にもあるのでしょうか。

 ちなみにサンダーバード4号の性能をご紹介しますと、水中航行時最大速度160ノット、水上航行時最大速度40ノット、最大深度9140メートルとなっています。(「完全版サンダーバード全記録集4(集英社)」より) 潜航深度は「わだつみ」に負けますが、スピードは驚異的ですね。

 このDVDコレクションは、静岡県先行発売となっています。静岡県は新商品のテストマーケットになっているそうです。静岡県で売れれば全国でも売れるということなので、なかなか責任重大ですね? 県外の皆様は8月4日の発売までもう少しお待ちください。

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コメント

小林桂樹さんの田所博士は、仰るとおり、何か芝居が堅くて、当時は、あまりうまい俳優とは思わなかったのですが、後に「裸の大将」の絶妙な山下清の演技を観てからは、彼に対する見方が変わりました。機会があればご覧ください。雁之助の清より、私はうまいと思います。この映画のミニチュア特撮は良いシーンもありますが、所詮、1960年代の怪獣映画のレベルですね。

投稿: スタンリーメタボリック | 2009年7月25日 (土) 21時58分

スタンリーメタボリックさん、コメントありがとうございます。
 「裸の大将」と言えば雁之助さんのTV版が思い浮かぶのですが、1958年に映画化されていたのですね。 ウィキペディアで知りましたが、小林さんの出演作品の膨大さには驚きました。最近では携帯電話のCMに出ていますね。TVドラマの日本沈没でも田所教授を演じていたのをすっかり忘れていました。

投稿: 雷おやじ | 2009年7月25日 (土) 23時49分

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