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2009年12月 5日 (土)

ARK OF SPACE

Photo  映画「2012」には、旧約聖書の「ノアの箱舟」のように人間だけではなく動物を運搬する場面があります。このとき小生は、小松崎茂画伯が昭和43年の少年マガジンに描いた「地球大脱出(未来版ノアの箱舟)」を連想しました。乗船を求める群集とそれを制する兵士の後ろを、巨大な宇宙船(ARK OF SPACE)に向かって斜路を進むさまざまな動物たち。背後には波に呑まれて沈みかかる客船も描かれています。

 小松崎氏の関連本の多くに、この箱舟の絵が載っていますが、先日図書館で借りた「図説ロケット(野田昌宏/河出書房新社)」を見て驚きました。小松崎氏の箱舟と全く同じ構図のSF雑誌の表紙絵が紹介されていたのでした。
 〈スタートリング・ストーリーズ〉1939年11月号/ハワード・V・ブラウン画/ジャック・ウィリアムスン「ユートピアの要塞」 原色で彩られたいかにも古めかしい形の宇宙船には、しっかりと「ARK OF SPACE」の文字があります。宇宙船に繋がる斜路や、宇宙船を支えている鉄構の形も同じですし、群がる群衆やそれを制止する軍隊の構図も全く同じです。背後には沈みかかっている客船も見えます。

 「岡田斗司夫の未来玩具(株式会社グリーンアロー出版社)」にも、この表紙絵が採り上げられていました。
 「スターリング・ストーリーズ」誌39年11月号。やがて来る地球最後の日、指導者たちは巨大なロケットを建造して、すべての動物をひとつがいずつ載せ、自分たちと一緒に脱出しようとした。気づく人も多いだろうけれど、60年代の「少年マガジン」などのグラビアページは、だいたいこのようなSFパルプ雑誌がモトネタとなっているわけだね。手前で自動小銃を構えている兵士たちがリアル。

 
小松崎版は宇宙船がシャープに描かれて、全体に臨場感があります。モトネタ版は兵士が銃を発射していますし、血を流して倒れている人まで描かれていますが、少年誌という配慮なのか、小松崎版はそこまでの描写はされていません。
 小松崎氏の作品の中で、サンダーバード・プラモデルの原画以外で一番に気に入っているのが、この「箱舟」のイラストです。パルプ雑誌の表紙というモトネタがあったとしても、このイラストの魅力が褪せることはありません。

 その小松崎版の箱舟宇宙船を見るたびに思い出すのが、サンダーバード第14話「火星ロケットの危機」です。火星ロケットの尾翼のあたりが、小松崎氏の「ARK OF SPACE」号に似ていると思うのでした。

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コメント

ハワード・V・ブラウンさんの絵はよく観ますが、
あらためて観ました。
あの時代に夢を与えた人でしょうね。
よく行く中古のお店の壁にも
彼の絵の複製を何枚か、大きく描いてます。

今日も行きました。
中古のお店で、1号、1号とPOD、4号を買いました。
1320円。
2号と、3号5号セットがありません。
まぁ、コナミのと似たようなものなんですが、
あると、買ってしまう…
家族には、内緒のお買いものでした^^)

投稿: ひげおやぢ | 2009年12月 7日 (月) 01時44分

ひげおやぢさん、コメント有難うございます。
 Startling Stories(スタートリング・ストーリーズ)は「人をぎょっとさせる物語」という意味だそうです。ハワード・V・ブラウンさんの表紙絵は、箱舟宇宙船の形がぽっちゃりしていて面白いのですが、1939年当時の読者にしてみれば驚かされる絵だったのかもしれません。
 SFパルプ雑誌の表紙絵を壁に描いてあるとは、なかなか面白そうな店ですね。行ってみたくなります。

投稿: 雷おやじ | 2009年12月 7日 (月) 22時29分

ハワード・V・ブラウンさんの絵がある、お店の写真を撮ってきました。
ボクの掲示板です。
http://www2.spline.tv/bbs/higeoyaji/

投稿: ひげおやぢ | 2009年12月 8日 (火) 19時16分

ひげおやぢさん、コメントありがとうございます。
 お宝発見岡山店の写真、ありがとうございました。映画の巨大看板を描くような職人さんの作品でしょうか? 残念ながら小生のパトロールエリアには、こんなおしゃれな外壁の中古ショップはありません。

投稿: 雷おやじ | 2009年12月 9日 (水) 23時24分

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