2009年7月16日 (木)

ビッグベン

Photo  ロンドンのテムズ河畔に建つ英国会議事堂の時計塔・ビッグベンが1859年に時を刻み始めてから5月31日で150年を迎えたそうです。

 人力で週3回巻くぜんまい式だが、21世紀の今も正確な時を知らせ、ロンドンのシンボルとして愛される。保守担当者はBBC放送に「あと数百年動くだろう」と語った。
 時計盤の直径は7メートル、振り子の錘は203キロ。30分に1回の時報の鐘は13.7トン。時計は第二次大戦でドイツ軍が議事堂を空爆した際にも動き続け、英国民の心の支えになった。時報と15分ごとのチャイムは、BBC短波ラジオの時報として世界中に生中継されている。(静岡新聞より引用)


 このビッグベン、サンダーバード第12話「死の大金庫」と、17話「スパイにねらわれた原爆」で、ロンドンの場面に実写映像で映ります。どちらも全く同じアングルで、時計の時刻も同じ4時ちょうどですから、フィルムをうまく流用したようです。

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2008年8月22日 (金)

LOVERS LEAP

Loversleap  第12話「死の大金庫」でロンドンに向かうはずのFAB1が、パーカーの迷走で突き当たってしまったのが、この「LOVERS LEAP」です。
 直訳すると「恋人達の飛翔(跳躍)」でしょうか。こんな崖から飛び降りるとは尋常ではありません。自殺の名所のようです。
 調べてみると、世界各地にこのような「愛を成就できなかった若者が身を投げた断崖」があることがわかりました。
 また、スリランカのヌワラエリア紅茶の有名な茶園の名前にも「LOVERS LEAP」がありました。サンダーバードのスタッフは紅茶が好きな英国人ですから、断崖と紅茶の名前を語呂合わせしたのかもしれません。
 さて、この看板には「~より愛を込めて」、「~が手紙をくれない」などのいたずら書きがあります。右下にはパーカーがフィンガーと入っていた監房の壁に書かれていたのと同じ「KILROY WAS HERE」の文字もありました。
 このKILROYさんは、恋人に振られて自暴自棄になって罪を犯し、刑務所のお世話になったのか、刑務所のお世話になったので恋人に振られて身を投げたのか、どちらでしょうか?

8月23日追記
 三型さんのコメントから「KILROY WAS HERE」が、アメリカなどでよく見られる落書きのフレーズであることを知りました。詳しくは「キルロイ参上-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%A4%E5%8F%82%E4%B8%8Aをご覧下さい。

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2008年8月19日 (火)

崖の上のFAB1

Photo  映画「崖の上のポニョ(宮崎 駿監督 2008年)」を観ました。
 判りやすくハッピーエンドなお話と温かみのある絵ですから、大人も子供も楽しめる映画ですが、パンフレットの1ページ目の「監督企画意図」の最後の行に目がとまりました。
 「少年と少女、愛と責任、海と生命、これ等初源に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである。」

 「神経症と不安の時代」とは、ほのぼのとした映画に結びつきそうもない言葉ですから、少々驚きました。
 神経症をウィキペディアで検索してみたところ、「神経症(しんけいしょう)とは、精神医学用語で、主に統合失調症や躁うつ病などよりも軽症であり、病因が器質的なものによらない精神疾患のことをさす。軽度のパニック障害や強迫性障害などがこれにあたるであろう。これらはかつて、不安神経症、強迫神経症と呼ばれていた。」とありました。

 「パニック障害(パニックしょうがい)は、強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつ。」で「定型的なパニック障害は、突然生じる「パニック発作」によってはじまる。続いてその発作が再発するのではないかとおそれる「予期不安」とそれに伴う症状の慢性化が生じる。さらに長期化するにつれて、症状が生じた時に逃れられない場面を回避して、生活範囲を限定する「広場恐怖症」が生じてくる。」となっています。

 また強迫性障害に関しては「強迫症状とは強迫性障害の症状で、強迫観念と強迫行為からなる。両方が存在しない場合は強迫性障害とは診断されない。強迫症状はストレスにより悪化する傾向にある。
 強迫観念(きょうはくかんねん)とは、本人の意志と無関係に頭に浮かぶ、不快感や不安感を生じさせる観念を指す。強迫観念の内容の多くは普通の人にも見られるものだが、普通の人がそれを大して気にせずにいられるのに対し、強迫性障害の患者の場合は、これが強く感じられたり長く続くために強い苦痛を感じている。不快な単語が何回も繰り返されるという症状もある。
 強迫行為(きょうはくこうい)とは、不快な存在である強迫観念を打ち消したり、振り払うための行為で、強迫観念同様に不合理なものだが、それをやめると不安や不快感が伴うためになかなか止めることができない。その行動は患者や場合によって異なるが、いくつかに分類が可能で、周囲から見て全く理解不能な行動でも、患者自身には何らかの意味付けが生じている場合が多い。」

 政治経済、国際情勢、エネルギー問題や地球温暖化、冷戦の再燃などなど、不安の時代を生きる人々の心の悲鳴が聞こえてきそうです。

 NHKの深夜番組で宮崎監督のドキュメントを放映していました。「崖の上のポニョ」の絵コンテがなかなか進まない”産みの苦しみ”が何ヶ月も続きます。そして出来上がったのが終盤近く、宮崎さんのお母さんがモデルと言われる老人トキさんと、主人公の宗介が公園で出会う場面でした。宗介もトキさんも、他人のために一生懸命になる場面があります。そんな姿を見て、勇気付けられる観客も多い事でしょう。

 ハム無線(ラーメンに載ったハムと語呂合わせ?)や灯火信号(モールス信号)、ポンポン船やラストに出てくる双発ヘリ(チヌーク)など、男の子の心をくすぐるアイテムの登場は宮崎監督の趣味でしょうか。

 さて、サンダーバードで崖の上と言えば第12話「死の大金庫」です。ペネロープ邸のディナーに訪れたシェルトン卿への呼び出し電話を、監獄仲間のフィンガーに関係するものと勘違いしたパーカーが、ロンドンへ向かわずに突き当たったのがこの崖でした。
 普段はお嬢様に忠実なパーカーが、古い仲間の事となると命令に背いてしまうのが意外でした。その後のお嬢様の暴走ぶりの原因は、単に運転に慣れていないだけではなく、パーカーへの怒りのせいかもしれません。

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2008年7月19日 (土)

ライト・フィンガー・フレッド

Photo  第12話「死の大金庫」に登場するフィンガーです。脱獄のためにゴミ缶に潜んでいる時でさえも、タバコを咥えているヘビースモーカーです。
 ブルドックのような下膨れのほっぺたがチャームポイントの憎めないキャラクターです。この顔を見るといつも思うのですが、俳優さんで似ている人がいそうだけれど誰なのか思いつきません。
 一番に思いつくのが「欲望という名の電車」などのカール・マルデンさんです。1912年生まれですから、もう96歳です。
 「ローマの休日」でカメラマンを演じたエディ・アルバートさんも、下膨れのほっぺだったように思います。
 「フライング・ハイ」シリーズや「ホット・ショット」シリーズのロイド・ブリッジスさんのほっぺも近いかもしれません。
 「コクーン」シリーズやTVドラマ「頑固じいさん孫3人」のウィルフォード・ブリムリーさんは、ちょっと年齢が高すぎでしょうか。
 貫禄ではカール・マルデンさんですが、ちょっととぼけたところがあるロイド・ブリッジスさんも捨てがたいと思っています。

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2008年7月12日 (土)

落書き

Photo  イタリア・フィレンツェにある世界遺産「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の壁に落書きをした女子短大生が、学長と共にフィレンツェを訪れて謝罪したそうです。
 一連の落書き問題では、何年も前に落書きをした野球部の監督が解任されるなど、波紋が広がっています。「旅の恥は掻き捨て」とでも言いますか、日常を離れた開放感から生ずる、モラルを欠いた行動は褒められたものではありませんが、現地の反応に比較すると、大げさに取り上げすぎかもしれません。
 以前エジプトを旅した時、ルクソールにある遺跡のかなり高いところに、落書きがたくさんありました。現地ガイドさんの説明によれば、落書きが書かれた当時は、その高さまで砂に埋もれていたそうです。その中にはロゼッタストーンの解読をしたシャンポリオンの名前もありました。落書きなどするべきものではありませんが、高名な人物であってもその衝動を抑えられなかったのですから、一介の日本人が出来心を起こしてしまうのも無理からぬ事でしょう。

 さて、サンダーバードで落書きと言えば第12話「死の大金庫」の、この場面です。その昔パーカーが牢屋住まいだった時の同居人、フィンガーことフレッドを回想する際に、壁に刻まれた「KILROY WAS HERE」の文字が見えます。
 刑務所のドキュメンタリー番組が放送されることがありますが、日本の刑務所はこのイラストの様子とはだいぶ違います。正座をして反省文を書かされたり、私語も禁止だったりとかなり厳しい様子です。もちろん壁にピンナップを貼ったり落書きなど出来るはずもありません。
 それにしても、金庫破り同士を同房にするとは、刑務所側も配慮が足りない感じです。その方面のノウハウや情報を交換する絶好の機会を与えているようなものです。

 今回の落書き騒動が、旅行者のモラル向上に繋がる事を期待します。

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2008年1月11日 (金)

ロンドンの地下鉄

Photo  新聞の歴史ごよみに、「1863年1月10日 ロンドンで世界初の地下鉄が開業」とありました。
 ロンドンの鉄道駅パディントンと中心部のファリンドンストリートを結ぶ全長約6kmで、乗客は蒸気機関車の煙に悩まされたが、交通渋滞の馬車より便利で速いと大好評だったそうです。(参考:静岡新聞)

 サンダーバードで地下鉄と言えば、第12話「死の大金庫」のおばあちゃんの台詞です。
 イギリス銀行の大金庫に閉じ込められた行員を救助しようとしますが、なかなかはかどりません。そんな時、「昔ロンドンには地下鉄というものが走っていたそうよ。」と、本部でおばあちゃんが話します。おかげで二人の孫たち(ヴァージル、アラン)は体中真っ黒に汚れながら、廃墟となったトンネルを進む事になります。

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2007年7月 1日 (日)

大事なズボン

Photo_300  第12話「死の大金庫」で、ペネロープ邸のディナーに招かれたロンドン銀行頭取のシルトン卿のズボンに悲劇が訪れます。先輩銀行強盗のフィンガーが脱獄したとの報道に落ち着かないパーカーが、お嬢様の「銀行強盗」という言葉にびっくりしてコーヒーのお盆をひっくり返してしまいます。
 ズボンだけでなく手にもコーヒーがかかっていますし、砂糖壷もひっくり返ってべとべとです。淹れたてのコーヒーですから相当な熱さと思いますが、さすがに英国紳士だけあって、あまり取乱したりしません。パーカーに向かって「何をするんだ、失礼な!」と声を荒げるものの、ペネロープ嬢には「どなったりして申し訳ありません。とても熱かったので。」と紳士的です。火傷を心配するよりも銀行からの緊急呼び出しを優先する責任感の強さも持っています。

 アメリカの現職の判事が、ズボンを紛失したクリーニング店に対して66億円もの損害賠償訴訟を起こしたそうです。判決は、もちろん原告敗訴でした。
 ズボン1本の紛失が消費者保護法違反にあたるとして訴訟をおこしたものですが、損害賠償の請求金額が何で66億円なのか理解に苦しみます。訴訟社会のアメリカですが、極めて異例で非常識と批判が出るのは当然です。
 この判事さん、一体何を考えているのでしょうか。敗訴は目に見えているのに、訴訟に踏み切ってしまうのは、常識を超えた何かがあるのでしょう。

 「なぜ日本人は劣化したか(香山リカ 講談社現代新書)」を読みました。文章を読み解く力の劣化、モラルの劣化、生きる力の劣化、社会の劣化、寛容の劣化、知性の劣化など、日本人の劣化の様子を示し、どうしたら防ぐ事が出来るのかについて書かれています。日本人だけでなく、海の向こうの司法の番人にも劣化が起きているのではないかと、ズボン訴訟から感じてしまいます。

 昨夜はダラダラとテレビを観てしまいました。フジテレビ系「世界がもし100人の村だったら5」で、深く狭い穴を掘って金を探す重労働に従事する少年や、ゴミ山で働く少女の日常が紹介されていました。日本の景気が停滞しているとは言っても、子供がこんな風に働かないと家族が生きていけない事はおそらく無いでしょう。世界の人口が66億人に達したそうですが、毎日食事が出来たり、安全な暮らしが出来たり、学校に行ける人はどれくらいいるのでしょうか。
 さらにテレビ朝日系「スマステーション」で、有名人の離婚慰謝料ランキングなるものを見ました。最高額はロシアの大富豪が1兆円以上を支払ったとあり、前述の子供の悲惨な生活とのギャップに頭がおかしくなりそうです。同じ”人間”なのに、なぜこんなに差があるのでしょうか。
 日本テレビ系「世界一受けたい授業」では、携帯電話を溶かして金を取り出す技術が紹介されていました。その中には、エチオピアの少年が過酷な労働をして採掘した金も混じっているかもしれません。世界から輸入される食品など、日本人の生活は外国の人々の労働に支えられているのだと思います。その中には低賃金や、日本では考えられない労働環境もあるでしょう。日本人は、ただお金を出して購入し、それらを享受していれば良いのでしょうか...?

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2007年6月19日 (火)

貴族の紋章

Photo_297  ペネロープ邸の暖炉の上に飾られている紋章です。この紋章にどのような意味が込められているのか興味が沸き、紋章学の本を読んでみました。

 「ヨーロッパの紋章 紋章学入門(森 護 河出書房新社)」に、紋章の定義として「中世ヨーロッパにおいて、キリスト教支配の貴族社会に始まり、楯にそれぞれ個人を識別できるシンボルをあしらった世襲的制度」とありました。日本の紋章が家紋として家を中心にしているのに対して、西洋では戦場で相手を識別するために楯に描かれたシンボルから発展したせいか、個人を基本としているそうです。

 アイロン型の楯が上部三分の一で分割されているように見えますが、上部三分の一をフィールドに載せたものという解釈が正しいそうです。載せたものはチーフと呼ばれ、フィールドが銀ならばチーフは黒でなければなりません。ペネロープ邸の紋章も楯が銀色で、チーフが黒っぽく見えます。

 楯の表面に描かれた図柄(チャージ)は、剣をX字形に組んだもの(スウォーズ・イン・ソールタイア)です。この紋章になぜ剣が描かれているのでしょうか。「西洋紋章パヴィリオン(印南博之 東京美術)」には、西洋の紋章の五分の一がカンティング・アームズ(語呂合わせの紋章)と書かれています。クレイトン・ウォード家なのでクロス・スウォーズ(?)なのかもしれません。また、チーフの上に描かれたユリの花は”フラ・ダ・リ”と呼ばれ、紋章に使用される植物シンボルの代表的なものです。

 初期には楯だけであった紋章が時代とともに各種のアクセサリーを加えるようになりました。アクセサリーは単なる装飾ではなく、形、色、その有無などによって王、公爵、伯爵、法皇であることが一見して判別できる仕組みになっているそうです。ペネロープ邸の紋章で言えば、楯を支える動物(サポーター)、楯の上に載っている兜(ヘルメット)、兜の上のクレスト(兜飾り)、これらの一番下に巻物があります。

 ヘルメットの形がバーヘルメット(兜正面の開口部に格子が付いている)で、向かって左側を向いていることからも、公爵から男爵までの貴族である事が判ります。

 ヘルメットの上のクレストは、同一家族や場合により同一家系が同じ形のものを使用できるため、家紋的な要素を持っています。残念ながら、ペネロープ邸の紋章のクレストが何を表しているのか、小生にはよく判りません。

 サポーターは動物や植物などさまざまな物がありますが、イングランドの場合、個人では貴族以上の紋章に使用が限られているそうです。向かい合う獅子はよく見かけるものですが、舌を出しているのにも何か意味が込められているのでしょう。

 巻物に書かれているのがモットーです。”主義、主張、座右銘、金言、その家系の開祖が好んだ言葉や、中興の祖が決めた座右銘などが多い”そうです。言語的にはラテン語のものが圧倒的に多く、フランス古語も多く見られるとあり、ラテン語の辞書で調べてみました。SEMPERは、つねに、いつも、恒常的にといった意味があるそうです。次のFLOREATが難解でした。辞書にそのものずばりの和訳が載っておらず、おそらくFLOREO(繁栄する)の語尾が変化したものと想像できます。(自分の人生でラテン語の辞書を開く機会が訪れる事など、想像もしていませんでした。) 

 さて、この紋章はいったい誰のものなのでしょうか。前記「紋章学入門」には「女子相続人は男兄弟のない娘をいい、父の財産、爵位を継承するばかりでなく紋章も継承し、結婚すれば夫の紋章に自分の紋章を加える権利を持っている。」とありますし、「1995年からは一定の資格を設けて女性独自の紋章を持つ道が開かれた。」となっています。(第一号は鉄の女サッチャーさん。) このため、暖炉の上の紋章はペネロープ嬢ご本人のものという可能性を考えたのですが、「未婚の女性が紋章を使用する場合は父の紋章を菱形の楯、稀には卵形の楯に配して使用する。」とありますし、婦人の紋章には兜やクレストを使用しないそうなので、やはり父君の紋章なのでしょう。

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