健全な肉体には...
第13話「火星人の来襲」の終盤、サンダーバード1号や2号、エクスカベーターといった国際救助隊レスキューメカの盗撮を察知されたフッドは、6輪車で逃走するものの道路を破壊され、修理中と思われるセスナ機を盗んで逃げようとします。
飛行中にオイル漏れをおこしたセスナ機は、スコット操縦のサンダーバード1号に追跡され、今回の事件の依頼者であるX将軍の屋敷に激突してしまいます。
3月30日、英国南東部のファーンバラで個人所有の小型機が墜落して住宅に突っ込み、乗っていた5人が全員死亡したそうです。この住宅の住民は休暇中で不在だった模様ですが、付近の住民が軽傷を負いました。
痛ましい事故ですが、生身の人間ならば奇跡でも起きない限り、軽飛行機の墜落激突事故で助かることはほとんど無いでしょう。ところがサンダーバードのキャラクターの中で最も異質な存在のフッドは、この激突事故でも無事でした。セスナの爆発炎上が無かった事もあり、多少の擦り傷程度で済んでいます。
マレーシア出身で密林の遺跡にアジトを持っていることや、トレーシー家の使用人キラノとは異母兄弟という設定になっていますが、全く謎に包まれた人物です。血がつながっているせいなのか、遠く離れた南の島にいるキラノを超能力で操ったり、目を光らせながら相手に催眠術をかけて昏倒させるなど、科学やメカニズム満載のサンダーバードの世界からすれば対極の存在と言えるでしょう。
フッドの超人ぶりは、単に超能力や催眠術ばかりではありません。第1話「SOS原子旅客機」のラストで、FAB1の機銃でパトカーを破壊されてもちゃんと生き残っていますし、その後のエピソードで死んでもおかしくない場面でもかすり傷程度で済んでいます。劇場版サンダーバードでゼロエックス号の昇降装置に足を挟まれる場面では、さすがに血を滲ませて苦悶の表情をしていますが、それでも生死に別状はありません。
「健全なる肉体には健全なる精神が宿る」という言葉があります。これはローマの詩人ユベナリウスが、当時の人々に健全な精神が宿っていない事を嘆いて「健全な肉体には健全な精神が宿るといいな」という意味で遺したものが、逆の意味に誤訳されてしまったそうです。
フッドは異常なまでに頑丈な肉体を持っていますが、健全なる精神が宿っていないことは間違いありません。そこで、21世紀の妄想家・雷おやじは「頑丈すぎる肉体には邪悪な精神が宿る(フッド)」と、迷言を記すのでした。
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